NAGANOKEN−KOGEIKAI
第27回県民芸術祭参加
第26回 長野県工芸展
長野県県民文化会館 展示室
平成18年(2006年) 9月27日(水)〜10月1日(日)
主 催/ 長野県工芸会・ 長野県・ 長野県教育委員会・ 長野県芸術文化協会 長野市・ 長野市教育委員会・ SBC信越放送
協 賛/ 信濃毎日新聞社
第26回 長野県工芸展 入賞作品 審査 委員 渡 辺 誠 一 (岐阜県現代陶芸美術館 学芸部長) 外 舘 和 子 (茨城県陶芸美術館 主任学芸員) 鈴 木 潔 (北澤美術館 学芸部長) 伊 藤 羊 子 (信濃美術館 学芸チームリーダー) 小 出 文 生 (長野県工芸会会長) (敬称略・順不同) 長野県工芸会長賞 華紋花器 水野英男(飯田市) 陶芸 長野県知事賞 草木染友禅紬地訪問着 春の海 小山仁郎(長野市) 染織 SBC信越放送賞 紬織着物「飛鳥」 丸山匡子(松本市) 陶芸 長野県教育委員会賞 オデッセイーB アーグネス・フス(千曲市) 陶芸 信濃毎日新聞社賞 遠 音 原山桂子(長野市) 人形 北澤美術館賞 線彫花泥七宝蓋物 「ねむい午後」 平林義教(諏訪市) 陶芸 長野県工芸会長賞 華紋花器(陶芸) 水野英男(飯田市) 口縁の三方をつまんだ輪花型のたっぷりしたうつわである。 華文は刻線により大きく配され、それらを彩る金が、あたかも夜空に咲いた花火のように鮮やかである。 熟練の技と大胆さが融合し、まさにこの作家の作陶史に大輪の花が咲いたものといえようか。 長野県知事賞 草木染友禅紬地訪問着 春の海(染織) 小山仁郎(長野市) 「春の海」と題された本作品は、一見伝統的な松林図を描く友禅紬文様と見えるが、その意匠にはきわめて斬新な工夫が凝らされている。 それは松の文様もさることながら、まず土堤の意匠である。きわめて幾何学的に処理されたそれは、既存の文様にはみられぬ意匠であり作者の発明という他はない。また全面に棚引く霞引きも鋭角的な処理が施されそれとの調和が意図されている。伝統に依拠しながら革新を求めるという課題への一つの回答がここにある。 SBC信越放送賞 紬織着物「飛鳥」(染織) 丸山匡子(松本市) グリーン、ピンク、藍、ブルー、水色、黄、藤色といったパステル調のストライプが実に爽やかに配されている。 縞の幅も巧みに調整され、多色使いながら粋な中に品もある。タイトルの「飛鳥」にふさわしい悠久の時の流れに思いをはせることのできる格も示す紬である。 長野県教育委員会賞 オデッセイーB(陶芸) アーグネス・フス(千曲市) オデッセイとは伝説の詩人ホロメスの叙事詩であるが、そのためかその器形は古代ギリシャにみられるような高杯の形態を呈する。杯の部分と脚の部分が分かれる構造になっているが、その作家独特のフォルムはこの脚部分にあり、帯状の土を螺旋状に巻き上げて成形する手法が今回も用いられている。 この手法は軽快なリズムを感じさせるものだが、今回はそのリズミカルな複数の要素がからみあい、ひとつのハーモニーをつくろうとしているところ進境がある。 信濃毎日新聞社賞 遠 音 (人形) 原山桂子(長野市) 少し右を向いて立ち止まった瞬間の子どもの姿である。プロポーションのデッサンに破綻がなく、面相筆によって描かれた頭髪、表情も細やかである。染めた和紙に文様を貼り付けた裏地、古布を使用した衣装や、巻紙で作られた玉の首飾りも精緻に仕上げている。また、盆の余白をうまくいかした空間が、人形の存在感、物語性を引き立てている。 抑制された動きと表情のなかに、子どもの持つ神秘性を表している。親は時折、幼子の瞑想にも似た表情に驚くことがあるが、作者はこうした子どもの神性を表現したのであろうか。 北澤美術館賞 線彫花泥七宝蓋物 「ねむい午後」(その他) 平林義教(諏訪市) さまざまな姿でくつろぐ猫たちをあしらい、のどかな春の午後の光景を表現している。 暗い背景色の選択によって白い藤花と銀と銅の象嵌で表した猫たちの形象が効果的に浮き上がっている。ところどころに散らした円形のモチーフが軽妙で楽しげな雰囲気を生み出していて、構成のうまさが光る。 ページトップへ戻る 出品及び入選概況 応募点数 入選点数 会員 一般 計 会員 一般 計 陶芸 51 60 111 46 45 91 染織 5 2 7 5 2 7 漆芸 1 0 1 1 0 1 木竹 5 0 5 4 0 4 人形 11 5 16 9 4 13 金工・その他 3 3 6 3 2 5 合計 76 70 146 68 48 121 入選者一覧 会…長野県工芸会会員 市松兎文長方皿 細井ェ 陶 芸 石化紋彫絵花器 畔上清司 陶 芸 象嵌線文壺 西村純一 陶 芸 薔薇貫入釉六角鉢「燃ゆる薔薇」 会 本間友幸 陶 芸 薔薇貫入釉花器「耿風の薔薇」 会 本間友幸 陶 芸 自然釉水指 石坂徳平 陶 芸 金結晶釉花器 大石 操 陶 芸 満 天 大石 操 陶 芸 鉄釉大鉢 会 田中無斎 陶 芸 釉彩草花文皿 会 田中無斎 陶 芸 風林火山 新井忠吉 陶 芸 天狗の器 新井忠吉 陶 芸 悠 悠 湯本万太郎 陶 芸 飾り皿 象嵌 花火 湯本万太郎 陶 芸 収穫の後 長谷川紀染 陶 芸 三位一体 宮林榮一 陶 芸 紅丸文壺 山口美樹子 陶 芸 布目椿文大皿 寺澤里美 陶 芸 虚に還る 会 竹内君則 陶 芸 青白磁風紋壷 岸田 怜 陶 芸 青白磁花紋壷 岸田 怜 陶 芸 泥彩水指 近藤芳江 陶 芸 志野茶ワン※1 近藤芳江 陶 芸 古城の月 伊倉美佳 陶 芸 空中都市 伊倉美佳 陶 芸 カンブリアのカンブリアたる理由08-B-4 会 西澤伊智朗 陶 芸 海上暁光焼締壺 会 大槻 隆 陶 芸 窯変する秋 牧野完治 陶 芸 練込薔薇文花器 寺島ひとみ 陶 芸 自然釉壷 吉田尚史 陶 芸 粉引組鉢 原田真弓 陶 芸 化粧丸文鉢 原田真弓 陶 芸 釉裏銀彩竹林文壷 会 村越久子 陶 芸 大 地 天戸 真 陶 芸 マグマの詩 今牧豊宏 陶 芸 色象嵌花文深鉢 会 小林陶春 陶 芸 そうかもしれない・・・・・ 会 塚田光弘 陶 芸 胡蝶蘭の壺 綿貫洋子 陶 芸 炭化のささやき 会 柳沢和久 陶 芸 花ひらく 会 柳沢和久 陶 芸 白韻06−4 会 小川芳信 陶 芸 飴釉大皿 町田俊文 陶 芸 壷 町田俊文 陶 芸 炭化の壷 前島保夫 陶 芸 焼しめmovement-T 会 荻原恒夫 陶 芸 焼しめmovement-U 会 荻原恒夫 陶 芸 鉄釉深鉢 会 高山 栄 陶 芸 釉彩雲華切込壷 会 杉野精一 陶 芸 東尋坊 会 杉野精一 陶 芸 彩流 会 土屋 晃 陶 芸 氷裂貫入青瓷尺皿 会 土屋 晃 陶 芸 葉文扁壷 会 坂口禮子 陶 芸 白化粧梅花文鉢 会 坂口禮子 陶 芸 花 器(1) 降旗正雄 陶 芸 花 器(2) 降旗正雄 陶 芸 象嵌桜文花器 会 裄V佑三 陶 芸 染付藤図花瓶 会 篠田明子 陶 芸 呉須巻き月見草図花瓶 会 篠田明子 陶 芸 彩泥紅葉文花器 宮原陽子 陶 芸 垣 間 寺島久子 陶 芸 灰釉大皿 寺島久子 陶 芸 線刻薫花器 羽田礼子 陶 芸 紅葉の滝 飯沼禮子 陶 芸 黄瀬戸板皿 会 北田耕治 陶 芸 カラマツ紋扁壺 会 北田耕治 陶 芸 釉彩紋深鉢「ななしぐれ」 会 大森國子 陶 芸 釉彩紋角鉢「浮遊」 会 大森國子 陶 芸 波文鉢 原 民雄 陶 芸 動と静 曽根英司 陶 芸 星 芒 会 百瀬元明 陶 芸 プラズマ 会 百瀬元明 陶 芸 オデッセイーA 会 アーグネス・フス 陶 芸 オデッセイーB 会 アーグネス・フス 陶 芸 萌 黄 酒井富美子 陶 芸 蒼 流 青木よし子 陶 芸 彩泥黄瀬戸釉組皿 青木よし子 陶 芸 彩泥線文花器 会 滝沢敏子 陶 芸 練上げ鉢 遠山千恵子 陶 芸 炭化線文鉢 会 宮澤道隆 陶 芸 飛翔 吉田美恵子 陶 芸 朽ち果てる 会 宮澤菊男 陶 芸 日本アルプス絵花瓶 会 宮澤弘幸 陶 芸 湖北の夢 浜 利秋 陶 芸 条裂彩磁花器「ブリザード」 会 篠田弘明 陶 芸 黒結晶釉組皿「宙」 会 篠田弘明 陶 芸 曜変天目茶碗(3点組) 会 丸山正行 陶 芸 青瓷深鉢 会 丸山正行 陶 芸 華紋花器 会 水野英男 陶 芸 青麦紋象嵌花入 会 松本邦之 陶 芸 炭化条紋鉢 会 水野雅史 陶 芸 風・丘に 会 高地善之 陶 芸 湖上の秋 田村よもぎ 染 織 草木染友禅紬地訪問着 春の海 会 小山仁郎 染 織 草木染訪問着 新緑の頃 会 木村不二雄 染 織 紬織着物「山桜」 会 中林康江 染 織 紬織着物「飛鳥」 会 丸山匡子 染 織 経絣きもの「錦織りなす秋」 和久井ゆき子 染 織 草木染友禅「郷」 会 小野康輝 染 織 根来漆筥 会 小坂 進 漆 芸 栓造拭漆盛器 会 小椋榮一 木 竹 微塵編花籃 会 小出文生 木 竹 アニバーサリー 会 塚田菊枝 木 竹 家路 会 塚田菊枝 木 竹 兄妹囃子 今村鶴恵 人 形 ヨーヨー 会 伊藤貞子 人 形 希望 会 赤津律子 人 形 おだちん 大平時江 人 形 朝まだき露しどヾ 会 百瀬玲子 人 形 縁がわ 会 百瀬玲子 人 形 生きる笑顔 会 戸井田紗代子 人 形 闇の響き 会 戸井田紗代子 人 形 遠音 会 原山桂子 人 形 爽風 会 大島和子 人 形 応援 会 竹腰米子 人 形 この指とまれ 赤羽喜子 人 形 わらべの夢 赤羽喜子 人 形 ソバの花の咲く頃 金田清子 その他 鍋倉龍渓圓池硯 会 深澤秀石 その他 有線七宝蓋物「アルプス乙女」 会 月岡栄子 その他 泥七宝蓋物「ねむい午後」 会 平林義教 その他 冬の和み 東條清和 その他 ※1…ワンは夘に皿 ページトップへ戻る 北澤美術館「長野県工芸展秀作展」 「第25回長野県工芸展」入選作品の中から、入賞作品およびそれに準ずる作品を 審査委員により選抜し展示します。 会 期 10月3日(火)〜10月15日(日) 4月〜10月/9:00〜18:00 ※年中無休 場 所 北澤美術館本館 諏訪市湖岸通り1−13−28 薔薇貫入釉花器「耿風の薔薇」 本間友幸(陶芸) 金結晶釉花器 大石 操(陶芸) カンブリアのカンブリアたる理由08-B-4 西澤伊智朗(陶芸) 練込薔薇文花器 寺島ひとみ(陶芸) 白韻06−4 小川芳信(陶芸) 彩 流 土屋 晃(陶芸) 黄瀬戸板皿 北田耕治(陶芸) 動と静 曽根英司(陶芸) 彩泥線文花器 滝沢敏子(陶芸) 炭化線文鉢 宮澤道隆(陶芸) 条裂彩磁花器「ブリザード」 篠田弘明(陶芸) 華紋花器 水野英男(陶芸) 炭化条紋鉢 水野雅史(陶芸) 根来漆筥 小坂 進(漆芸) 栓造拭漆盛器 小椋榮一(木竹) 微塵編花籃 小出文生(木竹) 遠 音 原山桂子(人形) わらべの夢 赤羽喜子(人形) 鍋倉龍渓圓池硯 深澤秀石(硯) 有線七宝蓋物「アルプス乙女」 月岡栄子(七宝) 泥七宝蓋物「ねむい午後」 平林義教(七宝)
第26回 長野県工芸展 入賞作品
審査 委員
渡 辺 誠 一 (岐阜県現代陶芸美術館 学芸部長)
外 舘 和 子 (茨城県陶芸美術館 主任学芸員)
鈴 木 潔 (北澤美術館 学芸部長)
伊 藤 羊 子 (信濃美術館 学芸チームリーダー)
小 出 文 生 (長野県工芸会会長)
(敬称略・順不同)
長野県工芸会長賞
華紋花器
水野英男(飯田市)
陶芸
長野県知事賞
草木染友禅紬地訪問着 春の海
小山仁郎(長野市)
染織
SBC信越放送賞
紬織着物「飛鳥」
丸山匡子(松本市)
長野県教育委員会賞
オデッセイーB
アーグネス・フス(千曲市)
信濃毎日新聞社賞
遠 音
原山桂子(長野市)
人形
北澤美術館賞
線彫花泥七宝蓋物 「ねむい午後」
平林義教(諏訪市)
華紋花器(陶芸)
口縁の三方をつまんだ輪花型のたっぷりしたうつわである。 華文は刻線により大きく配され、それらを彩る金が、あたかも夜空に咲いた花火のように鮮やかである。
熟練の技と大胆さが融合し、まさにこの作家の作陶史に大輪の花が咲いたものといえようか。
草木染友禅紬地訪問着 春の海(染織)
「春の海」と題された本作品は、一見伝統的な松林図を描く友禅紬文様と見えるが、その意匠にはきわめて斬新な工夫が凝らされている。
それは松の文様もさることながら、まず土堤の意匠である。きわめて幾何学的に処理されたそれは、既存の文様にはみられぬ意匠であり作者の発明という他はない。また全面に棚引く霞引きも鋭角的な処理が施されそれとの調和が意図されている。伝統に依拠しながら革新を求めるという課題への一つの回答がここにある。
紬織着物「飛鳥」(染織)
縞の幅も巧みに調整され、多色使いながら粋な中に品もある。タイトルの「飛鳥」にふさわしい悠久の時の流れに思いをはせることのできる格も示す紬である。
オデッセイーB(陶芸)
オデッセイとは伝説の詩人ホロメスの叙事詩であるが、そのためかその器形は古代ギリシャにみられるような高杯の形態を呈する。杯の部分と脚の部分が分かれる構造になっているが、その作家独特のフォルムはこの脚部分にあり、帯状の土を螺旋状に巻き上げて成形する手法が今回も用いられている。
この手法は軽快なリズムを感じさせるものだが、今回はそのリズミカルな複数の要素がからみあい、ひとつのハーモニーをつくろうとしているところ進境がある。
遠 音 (人形)
少し右を向いて立ち止まった瞬間の子どもの姿である。プロポーションのデッサンに破綻がなく、面相筆によって描かれた頭髪、表情も細やかである。染めた和紙に文様を貼り付けた裏地、古布を使用した衣装や、巻紙で作られた玉の首飾りも精緻に仕上げている。また、盆の余白をうまくいかした空間が、人形の存在感、物語性を引き立てている。
抑制された動きと表情のなかに、子どもの持つ神秘性を表している。親は時折、幼子の瞑想にも似た表情に驚くことがあるが、作者はこうした子どもの神性を表現したのであろうか。
線彫花泥七宝蓋物 「ねむい午後」(その他)
さまざまな姿でくつろぐ猫たちをあしらい、のどかな春の午後の光景を表現している。
暗い背景色の選択によって白い藤花と銀と銅の象嵌で表した猫たちの形象が効果的に浮き上がっている。ところどころに散らした円形のモチーフが軽妙で楽しげな雰囲気を生み出していて、構成のうまさが光る。
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出品及び入選概況
6
入選者一覧
会…長野県工芸会会員
※1…ワンは夘に皿
北澤美術館「長野県工芸展秀作展」
「第25回長野県工芸展」入選作品の中から、入賞作品およびそれに準ずる作品を
審査委員により選抜し展示します。
10月3日(火)〜10月15日(日)
4月〜10月/9:00〜18:00
※年中無休
北澤美術館本館
諏訪市湖岸通り1−13−28
薔薇貫入釉花器「耿風の薔薇」
本間友幸(陶芸)
金結晶釉花器
大石 操(陶芸)
カンブリアのカンブリアたる理由08-B-4
西澤伊智朗(陶芸)
練込薔薇文花器
寺島ひとみ(陶芸)
白韻06−4
小川芳信(陶芸)
彩 流
土屋 晃(陶芸)
黄瀬戸板皿
北田耕治(陶芸)
動と静
曽根英司(陶芸)
彩泥線文花器
滝沢敏子(陶芸)
炭化線文鉢
宮澤道隆(陶芸)
条裂彩磁花器「ブリザード」
篠田弘明(陶芸)
水野英男(陶芸)
炭化条紋鉢
水野雅史(陶芸)
根来漆筥
小坂 進(漆芸)
栓造拭漆盛器
小椋榮一(木竹)
微塵編花籃
小出文生(木竹)
原山桂子(人形)
わらべの夢
赤羽喜子(人形)
鍋倉龍渓圓池硯
深澤秀石(硯)
有線七宝蓋物「アルプス乙女」
月岡栄子(七宝)
泥七宝蓋物「ねむい午後」
平林義教(七宝)